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自転車のお爺さん
昨日は登山の後にも空港に姉を迎えに行ったり、夜もなかなか眠れなかったりで、今日はゆっくりめの起床。姉が上京中のため、その間車を自由に使わせてもらっていたわけだが、昨夜最終便で帰松して、今朝から早速仕事なのでもちろん車は返却。つまり、帰省最終日の今日は足がない。仕方がないので、先日買ったDVDをセッティングしたり、いくつか東京への連絡事項をこなしたり。
rairak413.jpg
昼食までの時間、天気がいいので、家の向かいにある田圃の前で携帯をいじっていると、自転車をえっちらおっちら押しながら、急坂を上ってくるお爺さんが一人。「今日はあったかいのぅ」と声をかけてきたので、「そうですね」と返事をする。それだけの会話に満足して、さらに坂を上っていくお爺さん。後ろ姿を見送って、また携帯をいじり始める。

小難しい文章を考えていたので、どれくらいの時間が経過したのか定かではないが、ふと気付くと、さっきのお爺さんがまた坂を上ってくる。そして同じように、「あったかいのぉ」と声をかけてきた。一瞬、デジャヴ?とも思ったが、また「そうですね」と言葉を返す。お爺さんはニコリと微笑んで、また坂を登り始めた。

メールの内容が気がかりだったので、今起きた出来事について深く考えるのはやめようと割り切り、再度携帯の画面に集中する。しかし、それから20分ほどの間に、同じことが2度も繰り返されたのだ。

流石に気になって、帰宅して母にそのことを話すと、あのお爺さんは近所に住んでいるDさんといって、数年前に最愛の妻を亡くし、以来痴呆気味になり、毎日何度も何度も奥さんのお墓に自転車で出かけるのだそうだ。墓前でぼんやりと過ごすのではなく、お墓と家の往復を繰り返す理由はよく分からないけど、とにかくお爺さんはそうやって心に折り合いをつけているのだろう。

午後もいくつかの用事を済ませ、さっきのお爺さんに触発されたわけでもないが、空港へ向かうまでにまだ少し余裕がありそうだったので、父の墓まで歩いていくことにした。車ならものの10分もかからない場所なのだが、坂が多いので歩けば30分近くはかかる。じわりと汗をかきながら、昨日の散骨のことなど考えつつせっせと歩く。そういえば、祖父母と父の眠るこの霊園、tellの姓をつけて「○○霊園」という名前。今更ながら不思議な縁を感じる。
purple413.jpg
三日前に来たばかりなので、簡単な掃除と、水だけ取り替える。母のことや、散骨のことなど、いくつか墓前に話しかける。戒名不要、正式な葬儀を行う必要もなしというのが遺言で、生前はこのお墓を作ることさえ躊躇していた父だが、帰省の度に皿が嶺に登るわけにもいかず、やはり建てておいてくれてよかったと思う。こういう時間が、遺された人間には必要なのだ。
carp413.jpg
家に戻る頃には、だいぶ日も傾いて肌寒くなってきた。あのお爺さん、もう家に帰っただろうか。
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