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『銭ゲバ』最終回
『銭ゲバ』最終回。金持ちになって幸せになってやると心に誓い、そのためには人殺しさえ厭わず数々の犯罪に手を染め、結果見事に勝ち取った大会社社長の椅子。
その過程で、世の中は金だという信念を、周りの誰も覆すことができなかった。絶望した主人公は、母親との思い出の場所で、ダイナマイトを腹に巻きつけ、壮絶な爆死自殺を図る。
導火線に火がついてから、走馬灯のように脳裏を巡るのは、所謂「普通の幸せ」。健康な両親のもと、安定した家庭に育ち、進学も上手くいき、恋もして、人並みに働き、結婚して、親孝行だってできて。
大金持ちになんてなれなくても、ごく普通の生活の中に幸せはある。確かにそうだ。だけど主人公は、なりたくて貧乏になったわけじゃなく、殺したくて人を殺したわけでもない(一人目は)。走り始めたばかりなのに、貧しさから犯した罪で、彼はもう二度と人生における正規のルートを走ることは叶わなくなった。彼は一体どう生きればよかったのか。
世の中、金が全てではない。でも、金は非常に重要なものであり、浮世の沙汰さえ金次第というシビアな現実は、ズシリと重くのしかかった。金なんてと笑い、金なんてと怒った登場人物が、金で取り戻した幸せで複雑な笑みを浮かべるラストに爽快なカタルシスはなく、「もう一つのエンディング」も、後味の悪さを残して幕を閉じた。
作者、製作者側の意図が、視聴者にどれほど伝わったのだろう。実際不要とも思われる最後の最後に挿入された「もう一つのエンディング」。映画ではなく、ドラマだからこそ用意せざるを得なかったのだと思うが、とことんまで視聴者を信じるなら、あの教訓じみた台詞抜きで、衝撃的にエンドロールを流してほしかったな。
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