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嫋嫋として露なお重し
sakurasou.jpg
お礼状をようやく書き上げた。相手は親族だし、今どき手書きである必要もなかったかもしれないが、稚拙な文章でも気持ちは伝わりやすいかなと。一つ肩の荷が降りた。

礼状に関する姉との遣り取りの中で、先週一週間かけて母が植え替えを終えた「さくらそう」の話題に触れた。父が宝物のように大事にしていた「にほんさくらそう」は、江戸時代に盛んに改良された古典園芸植物の一種で、埼玉の「田島ヶ原」に群生する日本自生種は、天然記念物に指定されている。

姉曰く、相当ツウな人たちのサイトを見ても、父ほど古くから、多品種を育てている人は見当たらなかったらしい。派手さはなく、たおやかに咲く「にほんさくらそう」。手間もかかるし、手入れが非常に難しい。植え替えの時期には、寒空の下で凍えながら土をいじり、開花の時期には欠かさず水を遣る。旅先でも、「さくらそうが気になるから」と、父は決して長居しようとしなかった。でも、それだけの愛情を受けて春に咲く花々は、清楚で可憐で、本当に美しかった。

父が入院して、まず気にかけたのが、「さくらそう」の植え替えだった。この冬は今まで以上に気合が入っていて、土と配合する肥料も山ほど購入していた。時期を逸しては全てが台無しになる。だからのんびり入院などしていられるはずもなく、酸素マスクをつけた状態で、週末には帰って、植え替えをやるんだと息巻いていた。入院が長引くと医者に告げられたとき、「絶望だ」と呟いた父の顔が忘れられない。

「私が替わりに植え替えるから、土の配合を教えて」と、母がいくら頼んでも教えようとはしなかった。母には無理だと判断したからではなく、その大変さを母には押し付けられないと思ったからだと思う。でも、葬儀から一段落ついた母は、「さくらそう」の植え替えを始めた。時期的にギリギリだったから、冷たい雨の降る日も、ガレージの屋根の下で作業を続けた。叔母も手伝ってくれたらしいけど、相当大変な作業だったに違いない。母まで身体を壊してしまったらと心配したけど、風邪を引くこともなく、無事にやり遂げたと連絡を受けた。

今になってようやく、「さくらそう」に興味を持ち、父がどれほど大切に育てたかを知り、だからこそ自分でも育ててみたいと思うようになった。母にそのことを話したら、我が子のように愛せなければ無理だと返された。一年中いろんな世話をして、たっぷりと愛情を注がなくては、すぐに枯れてしまう。正直、自信はない。でも今度帰省したときに、母の傍でその遣り方を学び、できれば一鉢でも二鉢でも、もって帰れるといいなと思う。
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(非公開コメント受付中)

to AKIRA
なんだかね。
どうして生きているうちから、こういう心境になれなかったのかと思うことばかりで…。
よく聞く格言は、悔しいけれどその通りなんだよね。。

あたたかいコメントをどうもありがとう。
お父さんの思いがまた一つ繋がって、 受け継がれていくね。
切ないけど、様々な思いの愛情を感じられて、ほんわか
優しい気持ちで
泣きたくなりました。

竜さんのご家族は
竜さんを含めて素敵な方ばかりだなと
改めて感じました。
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Author:ryuu
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