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春待ち人
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予定時刻より少し早い午前10時ちょっと前に松山駅に到着。身体中、特に臀部が痛い。14時間も狭いシートに座りっぱなしじゃ当然か。

寒空の下、1時間に2本しか出ないバスを待ち、上京後初めて一人での帰宅。松山に戻れば空港にも駅にも、必ず父が迎えに来ていて、運転を交代して家に帰るのが当たり前だった。

東京のように均一運賃前払いじゃないので、降車間際に慌てて両替などしていたら、400円払えばいいのに、千円を両替した残額の600円を運賃箱に入れてしまった。小学生の頃、塾通いで当たり前のように乗っていたはずなんだけど。

実家に着いて、着替えだけ持ってすぐに温泉へ。湯の入れ替えが終わったばかりのまだ人の少ない露天の湯船にゆっくりと浸かり、青い空を悠然と横切る雲を見ながら、二十日前には生きていた父を想う。

再度帰宅後、満州で女中が作っていた家庭料理を祖母が真似、それを母が教わって作った「チャゲタ」を食べる。友人に聞いてもそんな料理は誰も知らないが、今となってはウチの欠かせない定番料理であり、家族全員大好物。

食べた後、お墓へ。戒名のない父は、霊標に本名のまま記されており、生前赤字だった名前も黒く上塗りされていた。父の墓前では、母も姉も決して手を合わせない。例の歌じゃないけど、遺骨は納められているとしても、父がそこに眠っているとは誰も思っていないからだ。いるとしたら、家か、庭か、もしくはその辺の山でも歩いているか。だから花と茶碗の水だけ取り替えて、早々に立ち去る。

車があるうちにと大量の買い物をし、夕飯は父が入院中、看病の帰りに寄った「耕庵」でうどんと天むすを。少しずつ、父がいない食卓が当たり前になっていく。早食いで、食事時にゆっくり話をするような父じゃなかったけど、いるべき場所に、いるべき人がいないということが、料理の味まで変えてしまう。

帰宅後、相米慎二監督『あ、春』を観た。立ち止まってしまう家族。その夫の元に、三十年ぶりにふいに現れる父親。母に薦められて一緒に観たのだが、こんなの今観たら辛いだけだろうにと横目で見ると案の定泣いていた。『おくりびと』も素晴らしかったが、父親役の山崎努の名演が光る。いい加減なようで、自分の中に一本しっかりと筋が通っている。無骨で、不器用で、人に迷惑ばかりかけるのだけど、憎めない。父は決して無骨な人ではなかったし、他人に迷惑をかけるような人ではなかったけど、家族に対する愛情表現は下手な人だった。欠点だらけで、でもだからこそ人間らしくて愛らしい。春は、まだまだ来ないのだろうか。
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