Wiz/Out
2007-10-24(Wed)
知人が主演する園田監督の初長編映画『Wiz/Out』をユーロスペースで観てきた。冒頭から謎に包まれた緊迫するシーンが繰り広げられ、二つの世界で殺人が連鎖するAパートと、突如世界に誰もいなくなったBパートが絶妙に絡み合い、物語は急激に展開していく。
製作過程から斬新な手法に取り組んだこの映画は、公開前から話題を集めていたが、物語自体はどこか既視感を覚えるもので、群像劇でありがちな人物描写の甘さが目立った。キャストはSNSやBLOGで各キャラクターを演じ、自ら人物と向き合う作業を行ったようだが、本編のみでは感情移入しづらい。世界が一変したとしても、数時間で押し隠していた負の人間性が簡単に露見するものだろうか。
にしても、誰もいない渋谷の街の映像は圧巻。Webと連動した趣向を凝らした力作には脱帽。